発光生物

 日本は発光生物が多いことで世界的に知られておりますが、特に八丈島は珍しい種類を沢山観察できることで有名です。
 発光生物といえば、ホタルやウミホタルが有名ですが八丈島では発光する菌類(キノコ)が多く見られます。八丈島以外でも発光キノコの記録は有りますが、八丈島ほど種類が多く観察できる期間も長い場所は無いのではないでしょうか。

私たち、「NPO法人観光レクリエーション研究会」では発光キノコの魅力を多くの人に知って頂くために国内の植物園や科学館にヤコウタケを供給しています。
 また、島内では発光キノコの発生する原生林を保護し、安全に多くの方が発光キノコを観察できるよう「都立植物公園」と「光るキノコ観察の森」にて無料観察会を行っています。(夏休み期間中)

 夜の森を彩る不思議な発光生物を訪ねてみてはいかがでしょうか。

 八丈島で観察できる発光きのこは、2017年現在で同定種6種・未同定種1種が確認されています

ヤコウタケ

ヤコウタケ

 梅雨から秋雨の頃、ビロウヤシやフェニックスロベレニーの幹や枯れた葉柄から子実体を発生させる。光力は抜群に強く、10本群生すれば活字が読めるほどで、菌糸の状態でも発光する。表面に粘性を持ち、明るい場所では小さく白いキノコである。
 毒性検査の結果、毒性は認められないがカビ臭く水っぽいため食用には適さない。
 小笠原ではグリーンペペの名で知られている。

大きさは10〜30mm
(500円玉以上になる事も)
子実体の寿命は2〜3日

シイノトモシビタケ

シイノトモシビタケ

 八丈島では江戸時代から知られている、島を代表する発光きのこである。スダジイの腐朽部に発生するため「椎の灯火」からその名は由来する。
 本種は八丈島で採集した標本により新種記載された八丈島原産の種である。現在では和歌山県、大分県、宮崎県、高知県など各地で発見が相次いでいる。

大きさは10〜30mm
子実体の寿命は2〜3日

エナシラッシタケ

エナシラッシタケ

 エナシは「柄無し」の意味。子実体が発生する温度幅が広く、八丈島では条件さえ整えば、5月から10月くらいまで観察できる。光力は強くはないが群生する為、全体として強い光を放つ。
 ビロウヤシなどの枯れた葉や花柄などに発生し、背面着生するのが特徴だ。
 子実体には7〜20数個の管孔(胞子を拡散させるヒダと同じ器官)を持つ。

大きさ(傘の直径)は1〜5mm
子実体の寿命は約7日

スズメタケ

スズメタケ

 群生する半円形のキノコ。柄の部分から放射状に小さい管孔が並んでおり、傘と柄の部分が光る。
 近畿以西、屋久島、種子島、伊豆諸島、小笠原諸島に発生するとされている。
 光力が弱いため発見例が少なく、発光キノコの中では珍しい存在。

大きさ(傘の直径)は1.5〜7mm
子実体の寿命は数ヶ月

アミヒカリタケ

アミヒカリタケ

 シイノキ、タブノキ、ヤブツバキなどの切り株や倒木に群生する。
 傘よりも柄が強く発光する。光力はとても弱く、発光が確認できない事も多い。傘の裏がヒダではなく網目状の管孔になっているのが特徴である。
 近年の検証で発生から時間が経つにつれ、光が強くなるという特徴が確認された。

大きさ(傘の直径)は20〜30mm
子実体の寿命は4〜5日

ギンガタケ

ギンガタケ

 スダジイの巨木の腐りかけた樹皮に発生するキノコ。
 梅雨や秋雨の時期など、長雨が続くと発生する、樹皮一面に無数に発生し、群生するため、下から見上げると「天の川(ミルキーウェイ)」の様に見える事から、星空になぞられて「銀河茸」の名前が付きました。

大きさ(傘の直径)は2〜5mm
子実体の寿命は数日

アリノトモシビタケ

アリノトモシビタケ

 夜の山を歩くと、足下の枯葉が光っているのが見られる。この光る枯れ葉から極めて小さな光るキノコが発生している事がある。光力が非常に弱く、発生している時間も短い事から発見が極めて困難なキノコである。
 未記載種で、形態や発光部位の違いから、近縁の種類が豊富と推測される。
 島内でも数種存在すると思われる、現在研究中のキノコ。

大きさ(傘の直径)は2〜3mm
子実体の寿命は1〜2日

 菌類以外の発光生物もいろいろと見つかっています。
 

ニッポンヒラタキノコバエ

ニッポンヒラタキノコバエ

 幼虫時は2センチ、成虫時は1センチほどの昆虫である。幼虫はビロウヤシの葉柄の根元付近につく多孔菌(アイアナタケ)の表面に粘液の膜で巣を作る。幼虫の体全体が青く光り、特に頭部と尾部の光が強い。発光自体は極めて弱く、成虫は光らない。
 八丈島では1951年羽根田弥太博士らが初めて発見し、記載されたがその後54年間誰も見たものは居なかった。2005年に私たちのメンバーにより再発見され、現在では毎年その姿が確認されている。

イソコモチクモヒトデ

イソコモチクモヒトデ

ヒトデやウニと同じ棘皮動物に含まれるクモヒトデの仲間で、大きさは腕を含めて2センチ程度と小型。刺激すると細い腕に光の稲妻が走る。
 発光の役割は、敵に自分がまずいことのアピール、もしくはは、カニなどに襲われたとき光を使ってカニを食べてくれる大型の魚やイカを呼んでいると考えられている。

ホタルミミズ

ホタルミミズ

 長さ2〜5センチで胴の直径は1〜1.5ミリ。透明感のあるピンク色をした、普通の小さなミミズである。刺激を与えると、おしりから黄緑色に光る粘液を出す。
 八丈島では2011年の調査により、島内の広範囲で生息していることが確認されている。